【私的レビュー】Other side of the game/Erykah Badu <from『Live』(1996)>

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#2 Other side of the game

前回記事から引き続き、Erykah Badu1996年の名盤『Live』から、各曲レビューを行っています。
今回は2曲目に収録されているOther side of the gameです。

前曲のRimshotと同様に、シンプルなドラムと、ベース、キーボードで基本の土台が作られ、
Erykah Baduの声が絡んでいく曲です。

前半はひたすら一定のグルーヴを提示します。
これ、ドラムの2、4拍目にくるリムの音がかなり後ろに置かれていて、普通のミュージシャンだったら曲がどんどんモタるだけだと思うんですが、彼らはさすがにグルーヴを手なずけていますねー。非常に難しいスキルです。

これもしもテンポにジャストで演奏すると、悪い意味ですっきりしちゃうと思います。
モタらせながら、さらにその”モタらせ具合”も全員で共有できるという恐ろしさ。。
(まあこの辺のミュージシャンはみんなここが十八番なわけだけども)

そして後半は一転し、感情が徐々にむき出しになっていきます。。
具体的には05:20辺りから、弦と管(共にシンセですが)の厚みを出しつつ、ベースラインがそれまでのリフから離れ徐々にアドリブ味が増し、それまでのゆったりな空気は前フリだったのかと思うほど、身体と精神を揺さぶられます。

特に07:48辺りからが顕著でしょうか。
なんというか、単なる「静→動」ではないんですよ。動の中に、さらに静と動がくっきり繰り返されて、ジェットコースターを乗ってるような感覚というんですかね、とにかく一言で言えば聴いていて飽きないのです。

ベーシスト目線

さて、自分もベーシストということで、今後はベーシスト目線ではどうなのかということも併せて語れればと思います。

このあとの曲でも共通していますが、この曲はネオソウルのグルーヴという枠組みはもちろん、ジャンル関係なく、むしろベースなんかの枠すら取っ払って、全てに通ずるグルーヴの教科書だとさえ感じます。

今回のother side of the gameで言えば、やはり後半の遊び方には注目せざるを得ないです。感情の盛り上がりを助長する役目をうまく果たしているスラップで、決して複雑なことはやっていないのですがリズムのセンスがかっこよすぎて、何度聴いても飽きません・・

また、前記事でも書きましたが、ベースサウンドの質もかなりユニークです。
ローがドバッと出てハイが潰れたぶっといサウンドですが、その状態でスラップをやるので、いわゆるペキペキなスラップとは全く違い、ベティベティいう感じです笑
これがある種の迫力や不気味さをだし、前に出る音とは違い、後ろから全体のバンドサウンドを底上げするような音の溶け方をしています。

そしてこれらは、“音の粒の均一性”、”音価のコントロール”という視点を完璧にクリアしているからこそ成り立つものでして、単にリズムとか、フレーズとか、サウンドとか、その浅い部分だけ拾っても全然表現できないのです。

一見、”基礎”という言葉とは無縁そう?なErykahバンドですが、やはり強靭な基礎体力があるからこそ、その上の表現を達成できるんでしょうねー。

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