ミニマムな素晴らしさ
はいでました、Erykah Baduの中でも非常に有名な曲ですね。
様々なバージョンがあったり、色々な人のカバーが存在します。
でも個人的にはこの『Live』でのバージョンが一番まとまりもよく好きですねー。
Chris Daveが叩いている別のライブバージョンも評価が高いですが。
曲自体はまさに文字通りこの時期のErykahを代表するようなもので、
妖しさ全開、煙全開といった大ネオソウル曲です。
始まり方もこれまでと違って、鍵盤がピアノになり、シリアスさを強調しているのが良いです。
メイン部分は基本2つのコードのみで進行しますが、
それでなぜこんなに表現できるのか信じられません。。もはやこわい。
さて、今回はオリジナルverとは少し曲中の展開が異なりまして、
ずっと一つの調子でいくオリジナルに対し、このライブverでは途中で分かりやすく展開が設定されています。
3:55辺りでリズムチェンジし、全体の一体感が強調されて緊張感が増します。
さらにその後がかっこいい。Erykahのラップ調の語りが火をきったように始まり、
もうこの辺りでリスナーは完全にノックアウトです。
かっこよすぎる。。
でも対照的に、曲終わりでErykahが恥ずかしそうに笑う感じ、かわいすぎる!
まあほんと曲が終わっても、これでもかというくらい我々はこの女帝に翻弄されるわけです。。
いやーほんと、on&onに代表されますが、
このアルバムを通して一貫しているのは”ミニマムさ”という点に尽きると思います。
最小のバンド構成、音を出さないことでの表現、少ないコードでの表現、などなど。
これこそ我々ミュージシャンが見習いたい部分ですね。
考えてみても、私が作る曲の方が要素だけは無駄に詰め込んでますからね、、、、
ベースシスト目線
さて、この曲で特にベースに感じる部分は、”粘り”かと思います。
良い意味で全くすっきりしておらず、重い蛇が地面にしっかり身体をつけて動いている感じ、というと表現悪いですかね笑
でも不気味さという点でもまさにそんな印象を受けます。
ただし!何度も申し上げている通り、音価のコントロールが完璧で、
音を切る切らないの明確さが非常に利いているからこそ成り立ちます。
また、音価という点で言えば、”音の押し出し感”も一役買っているかなと思います。
非常に伝わりにくいんですが、音を切る際、「ブ」ではなく、「ブゥ」という感じで、
テヌートまでいきませんが、ほんの気持ち後ろに音が伸びるんです。
もちろん、全部がそうなのではなく、ポイントポイントでこの押し出し感があり、
これはまさに粘りに繋がる一要因かなと思います。
いやーほんとこういう分析をする度に思いますが、そう思っているならダラダラ喋るだけでなく、弾けるようにしろよと笑
がんばります…
あ、最後に、ベーシスト目線ついでにドラムですが、
節目節目で四拍目にくる8分二つの「ダンダン」という超シンプルなスネアフィルがなぜかめちゃくちゃかっこよくないすか??
なんでこんな激単純なフレーズがかっこいいの!!!
でもこれ、実際叩くと分かりますが、このほんのすこーしモタりながら、
かつ均一な音圧感で叩くのは実は超難しいですね。
あまりにシンプルだからごまかせず、本当に上手い人しか出せないフレーズです。
うーん、ドラムも、あと鍵盤も、語り尽くせないなーーーーーーーーー
(2017.4.15 追記)
On&Onのコード進行やボイシングに関してはこちら

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