ミュージシャンは迷わずDTMをやるべきという話

クオリティの高い制作環境を安価でアマチュアが手に入れられるようになった。
しかし、周囲のバンドマンや、セッションミュージシャンを見る限り、まだまだDTMをやっている人が少ないことに気づく。

と他人事のように言いつつも、わずか2年ほど前までは自分も全くそうであった。
だが今は、DTMに取り組むことで得るものは本当に計り知れないと日々感じる。

音楽は音楽でしかなく、楽器奏者だろうがトラックメーカーだろうが関係なく、音楽は取り組んだだけ相互に良い影響を与えるのである。

振り返りも兼ねて、自分の経験として、楽器とDTMを両方取り組むメリットを記してみようと思う。ついでにデメリットも考えてみた。

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メリット1: 自分の演奏を客観視できる

DTMというよりはDAWの話かもしれないが、まずはここが大きい。

要は、DTM活動を進めていく上で作曲なり何なりで自分のプレイを録る機会が発生する。

つまり嫌でも自分のプレイを客観的に聴くことになるわけで、まあこれが大抵は酷いプレイであることに気づかされる。
リズムが悪い、音の粒もバラバラ、フレーズがハマっていない、などなど。

それはまるで自分の声を初めてビデオやレコーダーで聞いた時の様な感覚に似ている。
しかも、打ち込みオケに対して重ね録りするケースも多いはずなので、より如実に自分のプレイの未熟さを思い知ることになる。

まあこうなると当然、酷い演奏を採用するわけにはいかないので、OKなレベルになるまで様々な面で自分のプレイ改善に尽くすことになり、結果的に必ず演奏スキルのクオリティが上がる。
※この部分をDTM側で修正するスキルばかり上がる人も多いが、ライブで全て露呈するんだよなあ。。

昔から「自分の演奏を録って聞くことが上達への道」とはよく言われてきたが、DTMであればそれどころか、例えば周波数帯やボリュームの動きなどもリアルタイムに目で確認でき、音作りやタッチを数値的に解析できる側面もある。

言い換えれば聴覚だけでなく、視覚でも音を捉えることができるようになったのは中々に素晴らしい。
ちなみに、これは先人たちのプレイを耳コピする際や、音作りを研究する際にもかなりの効果が期待できる。

メリット2: アンサンブル視点での演奏ができるようになる

例えばセッションミュージシャン、サポートミュージシャンなどは、コンポーザーやアレンジャーという立場ではなくプレイヤーとしての存在意義を求められる機会が多く、他の楽器のフレーズや音色など全てに対し、コントロールする機会はほとんどないだろう。

一方、DTMをやる以上、作曲において打ち込みで全パートもしくは一部でも自分で全て作ることとなる。

この場合、まず最初に感じる壁としては、

「あれ、ドラムのフレーズってどうなってるんだっけ…」のような、いわゆる自分の楽器以外へのアプローチが具体的に分からないことである。
今迄腐るほど耳にしてきたはずなのに、ドラムの8ビートさえまともに打ち込めない。

そこで例えばドラムのフレーズなんかをググってみると、まあ用語的なことも含めて自分の知識の乏しさに驚く連続である。

つまり、DTMをやると、楽曲を構成する全ての楽器やアレンジに気を配る必要性が生じるため、プレイヤー観点のみからの脱却ができ、俯瞰して曲と向き合う力がつく。

これは、コンポーザー、アレンジャーとしての力はもちろん、プレイヤーとしてのスキルアップにも多いに繋がる。

なぜなら、よりアンサンブルつまり他のパートや楽曲全体を考えた上での自分の役割を果たすようになり、良い意味で自分を殺した馴染むプレイが可能になるためである。

これは非常に大きいメリットである。

メリット3: 音楽活動の幅がとんでもなく広がる

これはメリット1,2とはちょっと異なる視点である。

DTMができるようになると、

・曲が作れる(正確に言えば成果物として形に落とせる)

・アレンジ業ができる

・エンジニア業ができる

ざっくりとこれらの可能性に繋がる。

もちろん、DTMができればエンジニアになれる!なんてことを言っているわけではさらさら無いのだが、少なくともそういった新しい観点で音楽と接するようになることは間違いない。

そしてこれらはただ自分の楽器だけに注目していた頃には考えられないようなことかもしれない。
例えば、人によってはプレイヤーとしての立場以外に自分の可能性を見つけ、音楽活動において新たな道に気づく機会になることも十分にあり得る。

そんな大げさな話でなくとも、

例えば自分や知人のバンドのミックスを行うようになったり、また、今や楽曲制作をして収入を得るなども非常にメジャーになった。
例えば・・
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※この辺の話は、星川さんのブログがとても詳しいです

とまあ、このように、ミュージシャンがDTMをやるメリットは計り知れない。

では逆に、バンドマンやミュージシャンがDTMに取り組んでいく上でのデメリットはあるのだろうか。
考えてはみたが中々思い当たらず、基本的にはメリットばかりでデメリットなど無いが、
しかし唯一、周囲のミュージシャンのあるある話で、自分もまさしく感じていることがある。

それは・・・

デメリット: 楽器の練習時間がなくなる

デメリットというか、陥りがちな話というニュアンスかもしれないが、
冒頭でも少し触れた通り、同じ音楽である以上DTMも楽器も、
触れることでどちらも相互的に良い影響を与えるのは間違いない。

しかし、これはあくまでバランスが前提で、
例えばこれまで一日5時間楽器の練習をしていたのに、ある日より楽器1時間、DTM4時間、という配分になれば、楽器の上達スピードは当然落ちざるを得ない。

ここまで極端でなくとも、
DTMを始めると、本当に覚えることや勉強することが爆発的に多くなり、
それはPCの操作など必ずしも音楽的な学びだけではなくなる。
また、何より曲を自分の手で作れる喜びや、様々なパートを打ち込める喜びなどにより、
どんどんDTMが面白くなって時間を取られるといった経験がある方も多いのではないだろうか。(本来は良いことなんだけど・・・)

もちろん、自分がプレイヤーとしても活動したいのか、
それともDTMメインでの活動にシフトしたいのか、など目指すものにもよるが、
楽器を弾くミュージシャンは、このバランスをよく考えた方が良い。
本来はどちらも別個なものではないが、しかし頭の使い方などは全く異なるので、
ある意味、二足の草鞋状態でもあるのだ。
自分は今でもこのバランスには悩まされる。。

ちなみに個人的な感覚としては、
DTMをやり始めた段階では、楽器練習を多少犠牲にしてでも、ある程度まとまった時間を確保し、さっさと一定のレベルまで引き上げてしまった方が長期的にはかける時間が最小限で済むかなと思う。
自分の場合は、バランスを無理矢理とろうとして、
DTMは三日に一回、みたいなことをやって少しずつ学ぼうとしたが、
全然身に付かず、結果的に身も入らずに一度途中でやめてしまったことがある。

まずは集中して、一通り理解できる、操作できるレベルに短時間でもっていく、
という方針が良いと思う。
何でもそうだが、学び始めに限れば時間がかかるものだ。
さて今日は、バンドマンやセッションミュージシャン、サポートミュージシャンなど、
主に楽器を通して音楽に関わるミュージシャンが、
DTM活動をすることで得られるメリットは様々あるという話をしてきた。

その上で、両立していく際に自分が感じていることだが、
DTMは当然PC上での操作がメインになるが、操作内容なども含め、
どこか「PC作業」や「Excel作業」に感じてしまう瞬間が割とある。
もっと簡単に言えば、「音楽的でない」ことも多いと思うのだ。

これは完全に自分の音楽的ベースがプレイヤーだからかもしれないが、
やはり楽器を弾くことは直感的で音楽的で楽しい。
それに比べて、DTMは(楽しいが)作業感が強い。
なので、いかにDTMにも”音楽的”な要素を持ち込めるか、ここを追求していきたいと感じる。

ここまで音楽を作ることが身近になり、さらにそれを”形”にできる時代はきっとこれまでにはなかっただろう。
特にバンドマン、セッションミュージシャン、ジャズミュージシャンなど、
DTMがまだまだ身近になさそう?な界隈のミュージシャンこそ、ぜひDTMを手にとり、様々なチャンスを手にしてもらいたい。

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