一緒に音楽をやりたいミュージシャンとは

コラム

これまで、様々な人数編成、ジャンルで固定バンドスタイルをいくつか経験してきた中で、
最近は、楽曲制作をして、その曲に応じたボーカリストやミュージシャンの方に依頼するようなパターンもしくはその逆で、依頼いただいてベースを弾くという音楽活動が多くなっている。

そうした中で、特に前者の際に、「ああ、この人に頼んで良かった!」と思える点が見えてきた。
それはずばり・・・

 

上手い下手より、一緒にやっていてワクワクするかどうか

もうこれじゃないかと。
では一緒にやっていてワクワクする人とはどんな人か。

それは、「リアクションがある人」だと思う。
例えばある曲の歌入れをお願いした際に、
渡した曲に対して、「ここってこういう感じですか?」とか、
こういう歌い方も合うような気がするんですが試してもいいですか?」みたいに反応をくれる人と、特にリアクションもなくそのまま歌入れを淡々とこなす人の2タイプがいるように思う。

後者がだめ!という話では全くないという前提で、
前者の場合は、個人的にはワクワクすることが多い。
「ちゃんとこの曲に対して思いをもって参加してくれているな」という印象を受けるためだ。
こうなると、こちらの意識としても「僕(指示側)→ミュージシャン(受け手側)」という一方通行な形がなくなり、
「僕⇄ミュージシャン」という、あくまで音楽的には対等で相互な関係になるわけです。
これは、まだ一対一の関係だが、例えばバンド編成でレコーディングをする際などは、時として作曲者というか依頼者側は非常に孤独になるw
例えば、リハ中にある箇所で悩みが出たとして、僕がうんうん唸りながら悩み、その間ほかの4人のメンバーは黙って佇んでいる、という光景は数多く経験済み。

もちろん、依頼側のディレクション力の問題は大きく関係する話ではあるが、
あくまで意識の問題として、リアクションがある人とは音楽をやっていてワクワクを感じるのは確かだ。
また、こういった相互のやり取りによって、自分だけでは思い浮かばなかったような楽曲のアイデアが増えて、最終的に曲のクオリティが上がるケースも非常に多い。
「この人は何を感じて今演奏しているんだろう」といったことが何も読み取れないような人は、例え技術がどうであろうが、正直面白みがないし、全く燃えない。
少なくとも、「次もぜひ!」という思いにはならないだろう。
※もちろん、ただリアクションがあれば必ずいいかと言われればそんなことはもちろんないし、
逆に音だけで言葉以上のやり取りを感じられる場合も多々あるのも事実

聞き出せる人になろう

当然、上記のような人たちと常に音楽できるに越したことはないが、
では、こちらは何も努力しないで良いのかといえばそんなわけもない。
少しディレクション力に触れたが、そう、結果的にはそういうリアクションや「どう思う?」を引き出せる人になれれば良いわけです。

やっぱり「思いや考えは実は色々あるんだけど言い出せない人」もきっといっぱいいるわけで、そうした隠れリアクション?みたいなものを出せるような環境作りは必須のスキルだと思う。

良い環境で音楽をやるには、音楽だけを考えてればいいっていうスタンスではなく、音楽以前のこともしっかり考える必要はある。いわゆる、人間性、ってところか。

まあ、歌の世界も楽器の世界も、上手い人って死ぬ程いるじゃないですか。
そして本来的にはそういう人たちと一緒に音楽やりたいわけです
なぜなら、その方が表現の自由度が高まり、音楽自体のクオリティが高まると考えるから。

でも、音楽は音楽が創り出すものではなく、あくまで人が創り出すものですから、
人がダメなら良いものを一緒に創り出すことはかなり難しいし、本当にしんどい。

何でもそうだけど

話を戻し、やはり音楽に限らず、相手に意思を伝える姿勢は非常に大切で、
人間なんて結局相手の反応次第でやる気が0か100になる単純な生き物である以上、コミュニケーションを積極的に取るスキルはいつの時代も有効。
アーティスト性という言葉に都合良く隠れて、未熟な人間性を正当化するようなミュージシャンにはなりたくないものだ。

あれ、何の話だっけ

 

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