本当は怖い”インプット”の話

年末年始で、過去の資料や本などを整理していると、
音楽関係の教則本や、音楽スクールの資料などが出てきた。
そしてそれらを見ると、「うわ、今も同じようなこと悩んでるし進歩ねえなあ」などと絶望する瞬間がある。
中にはもう数年、忘れてはインプットして、また忘れてはインプットして、のようなものすらある。

自分の能力ややる気の問題を無視しても、
やはりインプットしたものを自分のものにするというハードルは非常に高い。

しかし一方で、すぐに身に付いてしまうこともあり、むしろ手癖にならないように注意せねばなんてインプットもある。

このように知識の定着度には差がありそうだが、一体どういうことなのだろう。
インプットしたものを早く、確実に定着させる方法などあるのだろうか。

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インプットが先かアウトプットが先か

ご存知の通り、インプットという言葉とセットで、アウトプットという言葉がある。

先ほどの「知識の定着」とは、簡単に言えばインプットしたものをアウトプットできることを指す。

この流れから言っても「インプットする→アウトプットする」という順番がとても当たり前に思えるが、しかしこれこそが実は大きな落とし穴なのではないか、と最近常々感じている。

落とし穴① インプットで満足

学生の時の「勉強」とは異なり、自分が興味あることに関するインプットは、
基本的に楽しいのだ。
「知らないことを知る」これは人間の欲求でもあるし、
その道のマスターが分かりやすく体系化してwebや書籍に落としてくれるので、
大抵は頭を難しく使わずに理解できる。脳に負担無く入るのだ。
つまり、知識をインプットしただけで「できた気になる」し、アウトプットなどせずとも、
十分な満足感を得てしまう。

と同時にその満足感で本当に怖いのは、知的欲求を満たすからだけでなく、
「凄い人になる夢を見れる」という側面が実は存在している。ドラッグかと。
どういうことか。面白い記事の一部をご紹介。

何が言いたいかというと、アフィリエイトの情報教材の多くは、「ノウハウ」ではなくて、「ワクワク」を買わせてるんですよ。(略)

収入報告しているブロガーさんの記事を次々に読んでしまうときも心理的には似てますよ。なぜなら、成功者に「自分」を投影しているから。
ビジネス書や情報商材を読み終わった後に、「自分もできる男になった」と感じたら、要注意ですよ。それこそが、ビジネス書の価値ですからね。

(引用元:アフィリエイトで稼ぎたかったら、稼ぐ系のインプットを全て遮断せよ! #自戒

アフェリエイター向けの情報商材ばかり読んでインプットしているつもりでも、
成功者に自分を投影してワクワクしているだけで、全然意味ないのよという話。
「ノウハウではなくワクワクを買っているだけ」というのは名言!
これ音楽も全く同じでは?
こんなやり方をすればレーベル頼らず音楽で食えますよ、とか、
著者は本気でノウハウを書いていたとしても「よし、これで俺も仲間入りだ!」のように読者は気分が上がっているに過ぎない。その中身、具体的な方法が果たして身に付くかどうか、これは全くの別の話。

さらにもう一つ落とし穴。

落とし穴② 情報過多になる

インプット先行の場合、「知識として何を今得たいのか」という部分が、漠然としがち。
もちろん「今日は”音楽”のインプットをしよう」などという人はいないと思うが、
例えば具体的に「バスドラムのhiphop的なミックスの方法を習得しよう」と一口に言っても、
まずhiphopが広すぎるし、その調整の方法だってめちゃめちゃあるわけで、じゃあどこで終わりにするか、どこまで学ぶか、が全く明確でない。全てのパターンを学ぶ?

つまり、非常にインプットする量が増えてしまい、時間だけが取られることになる。
しかもこれは上記の落とし穴①とうまく響くので、はじめから明確な区切りがないとエンドレスになる。
アウトプットとして活かせるようにするには、インプットは具体的であるほど良い。

また、関連する話で、まさに自分のことなのだが、

特に内向性の強い人はこだわりが強いためか、アウトプットが苦手だと感じる傾向にあるようです。

このタイプの人は、インプットや思考を十分に重ねて咀嚼してからアウトプットしたいと考えています。
物事を消化不良のまま外に出すことを良しとしていません。

逆にいうと、このタイプの人はインプットする外部情報に対する感度が強く、情報の咀嚼の質が高い傾向があるのですが、いかんせん納得のいくまで推敲しているためアウトプットが一歩出遅れることが多いようです。

(引用元:アウトプットが『苦手』の原因とアウトプット力を鍛える4つの方法

「インプットをしっかりやりたい」「そのインプットだけで本当に網羅できてるのか」
「もっといい方法が実はあるのでは?」のような心境から、
一定量のインプットをしないと気が済まない人たちもいる。
しかし、こういう人は経験上うまくアウトプットに繋げない。

インプットに時間を取りすぎる

アウトプットに割く時間が減る

アウトプットができないからインプットが身につかない。

何度も同じインプットで時間がかかる

アウトプットに割く時間〜(以下同)

みたいな負のループが起きる。
インプット先行型は実はやり方を考えないと非常に危ないのである。。

ちなみに、この「インプット→アウトプット」の順番が一見すんなり理解されやすいのは、
やはり小中高時代に刷り込まれたことも影響しているようで、

なぜ「インプット」から始める方が多いのだろうか。 

その原因はおそらく、「学校の勉強」での体験にある。

学校の勉強は一般的に「問題集をやらせて、そのあとわからないところだけ教科書で」というスタイルではない。「教科書をしっかりやって、その後に問題集をやる」というスタイルだ。このスタイルが染み付いているので、「インプットが先」というスタイルを採用してしまいがちになる。

(引用元:アウトプットを中心に据えると、スキルアップのスピードが上がるという話。

とのことである。非常に納得。
しかし、ここは思い切って・・・

「アウトプット先行型」で生きよう!

「インプットの落とし穴」にハマらないようにするにはコレが一番の処方箋。

「インプットしてから〜」とかやめて、もうアウトプットをまず先にやること!

出来ないなりに、とにかくその目的のものをやってみる。
無から吐き出して作ってみる、やってみるのだ。
そうすると、案外「ここはできる」という部分や「ここは分からなすぎて手も足も出ない」という部分に出くわす。
もしくは他人から「ここはだめだね」なんて改善のFBをもらえるラッキーなこともある。

その体感した「できない部分、行き詰まった部分」を後から調べるなり聞くなりしてインプットし、それを先ほどの「できない部分」に上書き修正して再度アウトプットする。

こうすると、ムダなインプットは必要ないし、
何より「経験」を伴った部分へのインプットとアウトプットなので、
非常に身につきやすい。
経験を伴うと、「他人事」ではなく「我が事」として記憶され、定着度が違うという。

まとめ

結局、インプットとアウトプットは、
言葉上5:5の関係であるかのように思いがちだが、
インプットの価値と、アウトプットの価値は、ある意味では同値ではないのだと思う。

簡単に言えば、インプットは誰でもできる。読めば終わりだ。

そもそも「先生と一緒に教科書を読んで、説明をただ受ける授業」と
「まずは教科書読まずに問題を解かされる授業」とではストレス度、緊張度が違う。
これこそまさに脳がどうにかこうにかしてフル稼働している証拠で、
ある情報に対する、接し方の深さがまるで違うのが何となく分かる。

冒頭で、「何年学んでも中々身につかないこと」と「すぐに身についてしまうこと」があると言ったが、これもよく考えれば後者は、
何かアウトプットをしている中で行き詰まり、必要に迫られて調べてインプット&アウトプットしたことばかりだ。

特にこの情報過多の時代に、
「ググること」を我慢し、まず何より先にアウトプットしてみる。
それは色々な意味で苦しいが、しかしそれこそがインプットを最大限効率よく身につける技なのかもしれない。

最後にドラッガー氏の言葉で締めよう。

アウトプットを中心に考える。
技能や知識などインプットからスタートしてはならない。
技能、情報、知識は道具にすぎない。
—ピーター・F・ドラッカー

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